すべての雲は銀の…〈下〉
村山 由佳
死別と生き別れ・・・どちらが辛いんだろう。
主人公の祐介は、手痛い失恋をした。
彼女の新しい彼は、寄りにもよって自分の兄。
いたたまれない状況を見かねた友人タカハシの勧めで 信州のペンションに住み込みで働くことになった。
そこで出会った人たちとの関わりと、疲れ切るまで働くことで、思い悩む気持ちが少しずつ薄らいでいく。
でも、忘れたわけじゃない。 回数は減ったとは言え、思い出せば辛い。
ペンションに集う人達も、それぞれに抱え込んだものがあり、それが その人の人となりを形成している。
あぁ・・・人間って こうなんだよね。
そう、素直に受け止められる話でした。
取り立てて刺激的な事もなく、普通の日常を書いてあるのに、なぜか退屈しない。
出てくる人が みんな優しいからかな。