アーモンド入りチョコレートのワルツ
森 絵都
この本には、3つの短編が収められています。
「子供は眠る」 シューマン 「子供の情景」より
「彼女のアリア バッハ 「ゴルドベルグ変奏曲」より
「アーモンド入りチョコレートのワルツ」 サティ「童話音楽の献立表」より
どの話も ピアノ曲から生まれた物語で、もちろん 話の中に、たくさんのピアノ曲が出てきます。
そして、1話ごとに 13才、14才、15才と 主人公の年齢が上がっているのも面白かったです、
曲のイメージと、主人公の年齢のイメージの重なりが絶妙というか・・・・。
そして、この作者は 子供たちの心理を本当に良く分かっていることに驚かされます。
大人の目線のはずなのに、今となっては些細なことにムキになっていた気持ちとか、目を輝かせていた気持ちとか、タイムスリップしたかのように思い起こされます。
主人公と同年齢の子供が読むのも、親が読むのも、ピアノの好きな人が読んでも、素直に話しに入っていける物語。
読みながら、つい CDや楽譜を探したくなりました。